ムスリム 

    
 
 


 トルコは、98%の人が、ムスリム(イスラム教徒)です。
 ムスリムの国では、1日5回、お祈り(サラート)があります。
 この時間は、微妙にズレていくのでしょう。
 ジャーミーの入り口には、両替商のような電光掲示板があって、
 そこにお祈りの時間が明示してありました。
 
 その時間が近付くと、観光客は、
 ジャーミーから閉め出しをくらいます。
 信者たちが続々と集まり、足をていねいに洗います。
 暑いので、気持ちよさそうです。
 
 そして、大音量の拡声器で、法話みたいなのが、街中に鳴り響きます。
 そのあとに呪文が続きます。
 これが、音が割れていて、日本人には聞き苦しい音です。
 あちこちのジャーミーで一斉に行われるので、
 音が共鳴して、さらに聞き苦しい音になります。
 
 この時、ジャーミーに辿り着けない人は、
 街角に集まって、お祈りをします。
 交差点のそばで、100とか200のお尻が、一斉に上に持ち上がります。
 
 20分くらいの儀式ですが、5回とも、きっちり行われます。
 そんなにがんばっていいのか?てくらい真剣です。
 国中で積分すると、すごいエネルギーを投入しています。
 
 しかも、私らの滞在中は、ラマダン(断食)月でした。
 日が出ている間は、一切の飲食が禁じられています。
 熱中症にならないか?と心配ですが、それが断食です。
 
 夕方になると、道は、買い物客で慌ただしくなってきます。
 日没後は、今日はお祭りか?てくらい、人が出て来て、
 レストランは、満席になります。
 芝生の上も、家族連れがレジャーシートを広げ、江ノ島状態です。
 完全に、断食のメリハリを楽しんでいます。
 
 信じられないことですが、ムスリムは、お酒を呑みません。
 地元のレストランには、お酒をおいていません。
 文句を言うと、「リスペクトジャーミー」と言っていました。
 
 それだけなら許せますが、コンビニに、ビールが売っていません。
 それだけなら許せますが、ホテルの冷蔵庫に、
 ビールが入っていません。
 
 しかし、お酒を飲まない文化、てありえるんですかね?
 打ち上げとか、歓送迎会とか、ないんですよ。
 酔っぱらって、はめをはずす、なんてこと、ないんですよ。
 酒なしの宴会、て、どんなかんじなんでしょう?
 
 朝から夜までムスリム色のせいで、
 人々は、真面目で温厚に見えました。
 貧民もほとんどいず、スラムもありません。
 人々はアッラーの神の前で、平等に暮らしているように見えました。
 
 結局、オスマントルコがこの地を制したのは、
 この宗教が、この地に合っていたからなんでしょう。

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